全日本ウエイト制空手道選手権大会
ウエイト制大会とは
1984年に始まった全日本ウエイト制空手道選手権大会。毎年夏に大阪で行われ、すでに20年以上の歴史を誇る権威ある大会である。ウエイト制とは、ウエイトつまり体重別にクラスを分け、その範囲内で競技を行うもので、秋に行われる無差別の全日本選手権大会に比べ、よりスポーツライクな側面を併せ持つ大会でもある。
現在は軽量級(65kg未満)、中量級(65kg~75kg未満)、重量級(75kg以上)の3階級で行われている。
ウエイト制大会の意義
ウエイト制大会の意義は、ひとつには将来のオリンピック参加への布石にあるといえる。
言うまでもなく、オリンピックにおける格闘競技は柔道にせよ、レスリングにせよ、そしてボクシングにせよ、全てウエイト制(体重別)で行われている。
これらの現実が極真におけるウエイト制採用の引き金となったことは紛れもない事実。将来における新たな極真カラテ像は、オリンピック方式に準ずるこのウエイト制によって、切り拓かれる可能性があるからである。
その証拠として海外では、ヨーロッパ選手権、南米選手権など、主たる大会は日本でウエイト制が導入される以前から、全て体重別でおこなわれてきたし、近年も国内の地方大会は、体重でクラス分けをする傾向が強くなってきた。
いわばウエイト制大会は時代のニーズに応えて誕生したものと言える。
そしてウエイト制大会二つ目の意義は全国の空手マン(特に体の小さい選手)に明確な「目標」を持たせることである。
武道の極意は“小よく大を制す”ところにある。60キロの小兵選手が100キロの巨漢選手上段廻し蹴り一発でしとめる・・・。ここにこそ極真空手の醍醐味があると言える。
しかし現実問題として、60キロの人間が100キロの人間に挑むとき、どうしようもない「壁」が存在するのも、これもまた事実。無論、極真空手に励む以上、軽量の人間でも「壁」を打ち破るべく、最大限の努力をしなければならない。その努力の成果を問われるのが、ある意味で「秋」の全日本(無差別)といえるであろう。けれども努力というのはもともと全員が報われる性質のものではない。やはり多くの軽量の選手は、結果的に自らの体重のなさに泣くハメになるのだ。
そういう意味で、“身体の小さい選手にも日の目を”、そして“全ての選手が同じ土俵の上で闘える場を”という発想から生まれたのがウエイト制なのである。
小兵の選手にも闘うモチベーション作りができたと言う意味で、その存在意義は計り知れないのである。
今や秋の全日本は別格として、ウエイト制大会出場は国内全ての道場生の最高の目標であり、そのチャンピオンに君臨することは斯界の頂点を極めることとほぼ同義である。ゆえに大阪の夏は燃える。