声  明
2004年9月29日
国際空手道連盟極真会館・全日本極真連合会
 

本日、大阪高等裁判所は、私たちが松井章圭氏を被告として訴えていた裁判について、昨年9月30日の大阪地方裁判所における勝訴判決に続き、全面的な勝利判決を下しました。

その結論は、「被告松井章圭が、原告ら(岡田幸雄、長谷川一幸、瀬戸利一、三和純及び坂本恵義)に対し、極真会館の商標の使用を差止めようとすることは、たかだか一会派を率いるにすぎない被告が、他の極真会館の会派による商標の使用を規制しようとするものであって、権利の濫用として許されないものというべきである」という、極めて明快なものです。

この内容を生かせば、連合に参加する全ての者に、堂々と極真会館を名乗る道を開くことができるでしょう。

これは、昨年9月29日の東京地方裁判所の判決(確定)における原告ら(大石代悟、高橋康夫、田畑繁、七戸康博及び桑島靖寛)の勝訴と合わせて、私たち連合が松井派に対し完全に勝利したことを意味するものです。

私たちは、この判決を一つの区切りとして、大山倍達総裁が創設した極真会館の伝統と精神を守り、極真会館の大同団結、そして新たな発展のために、いっそう努力していく覚悟であることを表明いたします。



◆H16. 9.29 大阪高裁 平成15(ネ)3283 商標権 民事訴訟事件
平成15年(ネ)第3283号 商標権に基づく差止請求権不存在確認等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成14年(ワ)第1018号)

判       決

               控訴人(1審被告)      A
               訴訟代理人弁護士    田中克郎
               同              中村勝彦
               同              渡辺伸行
               同              奥山倫行
               被控訴人(1審原告)   B
               同              C
               同              D
               同              E
               同              F
               被控訴人ら訴訟代理人弁護士  田中清和

主       文

           1 本件控訴をいずれも棄却する。
           2 控訴費用は、控訴人の負担とする。

事実及び理由

第1 控訴の趣旨
 
1 原判決中、控訴人敗訴部分を取り消す。
 2 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。
 3 訴訟費用は、1、2審とも被控訴人らの負担とする。
   (以下、控訴人を「被告」、被控訴人を「原告」という。また、略称については原判決のそれにより、原判決の引用部分に「別紙」とあるのは「原判決別紙」と読み替える。)

第2 事案の概要

 1 本件は、原判決別紙標章目録1ないし8記載の標章(以下、併せて「本件商標」といい、個々の標章は「本件商標1」、「本件商標2」のように表記する。)を使用して空手の教授等を行っている原告らが、原判決別紙商標目録1ないし8記載の商標権の商標権者である被告が原告らに本件商標の使用の差止めを求めることは権利の濫用に当たるとして、被告に対し、原告らが空手の教授等において本件商標を使用することの差止めを求める権利を有しないことの確認と、被告の行為によって生じた原告らの損害の賠償を求めた事案である。    
    原審は、被告による本件商標権の行使が権利の濫用に当たると判断し、原告らの上記差止めを求める権利を有しないことの確認請求を認容するとともに、東日本電信電話株式会社又は西日本電信電話株式会社(以下「NTT」という。)に対して原告らによる広告掲載をやめるよう求めた被告の行為が不法行為に当たるとして、原告らの損害賠償請求の一部を認容したので、これを不服として被告が控訴を提起した。

 2 前提となる事実、争点及び争点に関する当事者の主張は、次のとおり付加、訂正するほかは、原判決「事実」第2の1、2及び第3に記載のとおりであるから、これを引用する。
   (1) 3頁23行目から24行目にかけての「東日本電信電話株式会社又は西日本電信電話株式会社(NTT)」を「NTT」と改める。
   (2) 9頁22行目の「G」を「GH」と改め、18頁23行目末尾の次に改行の上、次のとおり加える。
     「 なお、Iは、自著「極真カラテ21世紀への道」(甲68)の中で、「支部を認可するに際しての手続きさえしっかりしていれば、“マークの使用”について総本部は何らこれについて規制を加えるようなことはない。」と述べているところ、「支部を認可するに際しての手続きさえしっかりしていれば」と記載しているところからも明らかなように、上記記載は、Iが、支部長認可制度等に相伴った形で本件商標の使用を規制することを考えていたことを示すものである。」
   (3) 32頁11行目末尾の次に改行の上、次のとおり加える。
     「 また、極真会館においては、昭和52年10月8日に、従前の支部長認可証を新たな認可証と差し替えているところ、当時の支部長であれば当然に支部長認可証の差替え交付を受けているはずであるが、この時、支部長認可証の差替えを受けた者の中に原告Dの名前がない(乙26)ことからすると、仮に原告Dに係る昭和50年の支部長認可が事実であるとしても、その効力は遅くとも昭和52年には失われたものというべきである。」
   (4) 33頁24行目の「支払義務もないこと」の次に「、総本部と分支部長との間には直接のつながりもやり取りもないこと」を、同25行目の「範囲」の次に「(支部長から開設を認められた自己の運営する道場での活動に付随する範囲)」を、33頁末行から34頁1行目にかけての「明らかであり」の次に「(乙111ないし113等)」を各加える。
   (5) 40頁7行目の「1078万円」を「1076万円」と改める。

第3 当裁判所の判断

 1  当裁判所も、被告が、原告らに対し、本件商標権に基づき、空手の教授等に関して本件商標を使用することの差止めを求めることは、権利の濫用として許されず、したがって、原告らの本件請求のうち、被告が上記差止めを求める権利を有しないことの確認請求はすべて理由があり、被告の不法行為を理由とする損害賠償請求は原判決主文掲記の限度で理由があると判断する。
    その理由は、次のとおり付加、訂正等するほかは、原判決の「事実」中の「第4 争点に対する判断」1及び2に記載のとおりであるから、これを引用する。
   (1) 44頁19行目の「被告は、」の次に「上記商標登録出願の時点で、支部長らの了承を得ようとしなかったばかりか、」を加える。
   (2) 48頁5行目の「それ以外には」から同15行目末尾までを「それ故に、本件危急時遺言の確認の審判申立てが東京家庭裁判所で却下され、同決定に対する抗告が東京高等裁判所で棄却され、更に特別抗告が最高裁判所で却下され、本件危急時遺言がIの遺言としての効力を有しないことが確定した以上、上記承認の前提は失われたことになる。」と改める。
   (3) 48頁18行目の「主張するので、以下検討する。」を「主張するところ、Iによる後継者指名が、本件危急時遺言以外の証拠によって確認できる場合も、それによって、被告は極真会館の館長としてのIの地位を承継したものと認め得るので、以下、その点について検討する(ただし、この場合、問題とすべきは、Iの、その都度の意向がいかなるものであったかではなく、Iによる後継者指名の確定的な意思表示があったと認められるか否かにある。)。」と改める。
   (4) 50頁25行目の「不自然である」の次に「上、Iが、真に後継者指名の確定的な意思を表示しようとしたのであれば、メモに残させるだけでなく、極真会館の組織上重要な地位にある者への伝達を依頼する等するのが通常であると思われるのに、その形跡もない」を加える。
   (5) 52頁9行目末尾の次に改行の上、次のとおり加える。
     「 なお、被告は、遺言書作成に立ち会った他の証人であるJ、K、L及びMは、それぞれ、Iがはっきりと控訴人を2代目にする旨発言したのを聞いている(乙4)と主張しているが、上記立会いの際に作成された遺言書自体に後記(エ)のような疑問がある以上、これらのインタビュー記事によって、上記のような意思表示があったものと認めることはできない。」
   (6) 52頁10行目の「被告を」から同11行目末尾までを「後継者指名の意思表示をしたものと認めることはできない。」と改める。
   (7) 53頁11行目の「失当というべきである。」を「失当というべきであり、上記解任決議の点は、その段階で、被告らが、被告を支持する一会派と解任決議に賛成した支部長から成る一会派に分裂した事実を示す事情としてとらえておけば足りるものである。」と改める。
   (8) 53頁12行目冒頭から同19行目末尾までを次のとおり改める。
     「オ 被告は、被告が率いるA派は、Iの率いていた極真会館との間に、総本部の構成・機能、支部・道場の編成の同一性、各種選手権大会開催の継続性、内弟子制度の継続性、各種証書・備品の同一性、取引関係の継続性、関連雑誌の同一性が認められ、これと同一組織であるから、A派を離脱した者は、極真会館を離脱した者であると主張する。
          しかし、団体としての同一性・継続性は、その人的、物的な構成及び活動内容等から判断されるべきであるところ、既にみたような極真会館の組織及び活動の性質上、本件の場合に最も重要な点は、実質的な意思決定者としてのIと支部長等の人的構成にあると考えられる。前記認定のとおり、Iが後継者の指名をしないまま死亡した上、各支部長らが離合してそれぞれ会派を形成し、各会派が独自に、I存命中と同様の、本部・支部・道場制あるいはこれに類する組織構造を採り、I存命中と同一名称で各種選手権大会を開催し、I存命中の極真会館において使用されていたのと同様の体裁を有する証書等を使用するようになったものと認められる以上、被告主張のような事実のみによっては、被告の率いるA派のみが極真会館を承継した者であり、他の会派はこれから離脱した者にすぎないということはできず、この点の被告の主張は採用することができない。」
   (9) 53頁末行の「24ないし」の次の「、」を削り、54頁2行目の「被告各本人」の次に「、当審証人N」を加え、55頁13行目の「最終的には」から同14行目末尾までを「I自身によって例外的取扱いが行われることもあった。」と改め、同18行目の「24等」の次に「。なお、Iの生前最後のものと思われる乙11の「国内支部(大学も含む)規約書」では「一四 …分支部の拡張…についても事前に必ず連絡し、本部の承認を得ること。…」と定められている。」を加え、56頁9行目の「ただし、」から同14行目末尾までを「上記各規定は、その文言や弁論の全趣旨に照らし、いずれも、本件商標の物品販売に関する規制を目的とするものと考えられ、それ以外に、本件商標の使用に関する規制を目的とする規定はなかった。」と、同25行目の「このことにつき、」から57頁1行目末尾までを「上記商標登録出願をすることについて他の支部長らの了承を得ておらず、他方、被告自身は、極真会館の後継者にIの遺志を継いで就任したその責任上、商標登録出願をしたもので、極真会館が法人格を有しない任意団体であったことから被告個人名義で商標登録出願をした旨述べている(甲7)。」と各改める。
   (10) 57頁16行目の「権利濫用」の前に「原則として、」を加え、同17行目冒頭から59頁3行目末尾までを次のとおり改める。
     「(イ) 上記(1)ア(ア)のとおり、本件商標は、Iが死亡した平成6年4月26日の時点(本件商標登録出願前)において、Iが率いる極真会館という団体又はその活動を表すものとして、空手及びその他の格闘技に興味を有する者(需要者)の間では広く知られるところとなっていたが、このような本件商標の周知性・著名性は、Iというカリスマ性を有する人物の存在と、I存命中の極真会館に属する支部長等の、極真会館の名称下での、長年にわたる道場での極真空手の教授や地方大会の開催等の活動によってもたらされたものであり、また、I死亡後も、あくまでIの率いる極真会館又はその活動を表すものとして需要者の間で広く知られており、その周知性・著名性の形成に上記のような者が寄与しているという状況にも何ら変わりはない。
          したがって、本件商標自体は、Iの生前から、I個人ではなく、極真会館という団体(任意団体)に帰属していたものといえるが、他方、既にみたような、極真会館内におけるIの「館長」又は「総裁」としての特殊な地位から、本件商標に関する権限も同人に全面的に委ねられ、いわば本件商標の独占的な表示主体として、団体内部における使用許諾の在り方や規制等も、すべて、その一存に任されてきたものである。
          そのようなIが死亡したが、極真会館には、団体自体の意思決定の方法や代表者の選任・解任に関する規定は存在しないから、上記Iの特殊な地位は、I自身による後継者指名が存在するか、団体構成員の総意によってのみこれを他に承継させることが可能であったと考えられるところ、前記(1)ア(オ)のとおり、被告への後継者指名を含む本件危急時遺言の効力が否定され、他に被告への後継者指名の事実も認められず、また、上記総意の形成や、被告がIから本件商標について個別の権限委譲を受けた形跡もない以上、被告は、本件商標に関して、極真会館内で、Iの承認の下に、本件商標を使用して空手の教授、地方大会の開催等の活動を行ってきた団体内部の者に対して、独占的な権利を主張し得る正当な根拠を有しないものというべきである。
          以上によれば、被告が、本件商標に関し、上記ような者の了承を得ることもなく、自己名義で商標登録を受けたとしても、極真会館の外部の者に対する関係ではともかく、本件商標の周知性・著明性の形成に共に寄与してきた団体内部の者に対する関係では、少なくとも本件商標の使用に関する従来の規制の範囲を超えて権限を行使することは不当であるというべきであり、被告による本件商標権のそのような行使は、権利の濫用に当たり許されないものと解するのが相当である。」
   (11) 60頁1行目の「支部長制」を「支部制」と、同4行目冒頭から同13行目末尾までを次のとおり各改める。
     「 しかしながら、そのことから直ちに、極真会館が、商標使用に関する規制の面でも、支部制やテリトリー制に伴った形での規制を行っていたということにはならない。けだし、上記のような制度又は規制は、極真会館という団体の組織運営に関する制度又は規制であって、被告主張のように、商標使用に関する規制が当然にこれに相伴うものと解すべき必然性はなく、商標使用に関する規制をどのようにするかは、商標管理等の問題として、別途、考慮、決定されるべき事柄であるからである。
          そして、前記のように、本件商標についてすべての権限を掌握していたIは、その存命中に、その商標登録等の出願を行おうとしなかったばかりか、その死亡の約2年前に出版された自著「極真カラテ21世紀への道」(甲68)の中で、「他の組織が無断で使用しない限り、IKO(国際空手道連盟の略称)傘下にある極真会館支部道場がこれを使用するのは自由であり、支部を認可するに際しての手続きさえしっかりしていれば、“マークの使用”について総本部は何らこれについて規制を加えるようなことはない。」と述べていることからすれば、本件商標については、団体内部に関する限り、むしろ自由にこれを使用することを許す方針であったことがうかがわれるのである。
          もっとも、被告は、上記記載中の「支部を認可するに際しての手続きさえしっかりしていれば」の部分をとらえて、上記記載は、かえって、Iが本件商標について支部長認可制度等に相伴った形での規制を考えていたことを示すものであると主張しているが、その前後の文脈に照らせば、被告の指摘する部分は、Iが、本件商標の使用に関する規制については、組織運営に関する規制とは異なる方針を有していたことをうかがわせるものであり、また、上記記載に続いて、「ところが、Pは、ヨーロッパにおいて総本部に無断で「IKO」のマークを意匠登録してしまった。…こうなると、英国はじめヨーロッパにおいては、支部を設立し「IKO」のマークで看板を掲げたいと思っても、Pの許可なしには道場を出せないということになる。…私は、私情を捨て、組織の統制を図るためには彼を破門に処せざるを得なかった。」と述べていることに照らすと、Iは、むしろ、団体内部の一部の者が本件商標に係る登録等をすることによって、他の者の自由な使用を干渉しようとするような事態をこそ規制しようとしていたものというべきである。
          現実にも、本件商標の使用に関して、物品の販売等に係るものを除いては、Iが、支部長等の団体内部の者に対し、格別の規制をしたような形跡は、証拠上見いだせず、各原告本人尋問の結果や弁論の全趣旨に照らせば、かえって、上記のような団体内部の者が、各道場での極真空手の教授等の活動を行うに際し、極真会館としての活動の趣旨に違わない限り、本件商標を使用することは、格別の規制を受けることもなく、当然に許容されていたことがうかがわれるところである。
       c  また、被告は、分支部長につき、Iから直接認可を受けるものでないこと、総本部と分支部長との間には直接のつながりもやり取りもないこと、支部長会議に出席する義務がなく、極真会館総本部に対し直接金銭を納付する義務もないこと、道場を開設するには支部長から許可を受ける必要があり、支部長に対して分支部会費等を納入する義務があること、支部長の権限によりその地位から解任され得ること等からして、分支部長は、支部としての活動を補佐的に行っていく立場にすぎず、支部長に対する許諾及び支部長から認められた範囲(支部長から開設を認められた道場での活動に付随する範囲)内において、支部長の意思に反しない限りで本件商標を使用することができたにすぎない(乙111ないし113等)旨主張する。
          しかし、仮に、分支部長につき、被告の指摘するような点が認められるとしても、それらはいずれも組織運営に関する規制の面での問題にすぎない上、商標使用に関する規制の面でも、支部長が、Iから本件商標の使用につき許諾を受け、これを分支部長に対して更に再許諾していたものとまでみなす根拠はなく(支部長に再許諾権を付与する旨の規約等は存在せず、他方、前記規約等によれば、総本部も分支部を把握できる立場にあるから、Iが掌握する本件商標に係る権限の一部を支部長に分与すべき理由も必要もない。)、むしろ、包括的、黙示的であるにせよ、分支部長もIからの使用許諾を受けて本件商標を使用していたにすぎないと解するのが自然といえる。
          そして、I自身が、その生前に、極真会館内部における本件商標の使用について何らかの規制を加えていたと認めるに足りる証拠はなく、他方、少なくとも原告E及び同Fは、支部長の許可の下に道場を開設し、その運営を独立採算制で行っていたものであり、被告の指摘する点を考慮に入れても、単なる支部長の履行補助者的地位にとどまるものではなく、一定の独立性を保持した主体的な活動を通じて、本件商標の周知性・著明性の形成に寄与してきた者といえるから、このような者に対して被告が本件商標権に基づき本件商標の使用の差止めを求めることも、権利の濫用に当たるというべきである。                    
          なお、当審証人Nは、東京都下城西支部においては、分支部長が道場の看板等を出す場合は、自己の名と共に総裁及び支部長の名を並記することとされていた旨証言し、原告Eもおおむねこれを認める供述をしているが、本件商標を商号的に使用する場合に上記のような表記をすること自体は通常行われることであって、そのような事実があったとしても、格別異とするに足りず、このことから直ちに、分支部長には支部長からの独立性がないとか、本件商標に係る規制として上記のような表記が行われていたなどということはできないし、他に、被告の援用する乙111ないし113、当審証人Nの証言を含め、上記認定判断を左右するに足りる証拠はない。」
   (12) 60頁17行目の「67、」の次に「75、76、」を、63頁10行目の「被告の指摘は、」の次に「いずれも極真会館の組織運営に関する規制の面での問題にすぎない上、」を、65頁5行目の「67、」の次に「78ないし80、」を各加え、同末行の「支部長として認可状」を「支部長認可証」と、66頁17行目の「支部長の認可状」を「支部長認可証」と、67頁5行目の「支部認可証」を「支部長認可証」と、同12行目の「開設して」を「開設するなどして」と各改める。
   (13) 67頁13行目末尾の次に改行の上、次のとおり加える。
     「c 被告は、極真会館においては、昭和52年10月8日に、従前の支部長認可証を新たな認可証と差し替えているところ、当時の支部長であれば当然に支部長認可証の差替え交付を受けているはずであるが、この時、支部長認可証の差替えを受けた者の中に原告Dの名前がない(乙26)などとして、仮に原告Dに係る昭和50年の支部長認可が事実であるとしても、その効力は遅くとも昭和52年には失われている旨主張しているが、前記のとおり、原告Dが、ボランティアとして他の支部長とはやや異なる形で活動していたことからすれば、昭和52年の支部長認可証の差替えの際に同原告の名前がなかったとしても、そのことから直ちに、同原告が支部長でなかったとか、支部長認可の効力が失われたものとは断定できないし、他に、この点に関する被告の主張を認めるに足りる証拠はない。」
   (14) 67頁14行目冒頭の「c」を「d」と改め、同19行目の「しかしながら、」の次に「これらは極真会館の組織運営に関する規制の面での問題にすぎない上、」を、同25行目の「56、」の次に「67、」を、同行目から同末行にかけての「69、」の次に「77、」を、同末行の「原告E本人」の次に「、当審証人N」を、70頁13行目の「これらはいずれも」の次に「極真会館の組織運営に関する規制の面での問題にすぎない上、」を、同17行目から同18行目にかけての「いうべきである」の次に「(なお、被告は、原告Eが、Iの生前から、東京都下城西支部のテリトリーの範囲外にも道場を有していた点〔乙84〕を問題としているが、これらは極真会館の組織運営に関する規制の面での問題にすぎず、商標使用に関する規制の面における権利濫用の問題を左右する事情とはいいがたい。)」を各加え、同20行目の「60」を「67」と改める。
   (15) 72頁16行目冒頭から同17行目末尾までを次のとおり改める。
     「(4) 以上によれば、本件において、被告が、原告らに対し、本件商標権に基づき、原告らの空手の教授等に関して本件商標の使用の差止めを求めることは、たかだか一会派を率いるにすぎない被告が、他の会派の構成員による本件商標の使用を、従来の規制の範囲を超えて規制しようとするものであって、権利の濫用として許されないものというべきである。」

 2 その他、原審及び当審における当事者提出の各準備書面記載の主張に照らし、原審及び当審で提出、援用された全証拠を改めて精査しても、引用に係る原判決を含め、当審の認定、判断を覆すほどのものはない。

第4 結論

    以上によれば、原告らの請求は、被告が、原告らに対し、被告の有する本件商標権に基づき、空手の教授に関する広告、空手の興行の企画・運営又は開催に本件商標を使用すること及び空手の教授を行うに際して空手着に本件商標を使用することの差止めを求める権利を有しないことの確認、並びに被告が原告B、同C及び同Dに対し各50万円、原告E及び同Fに対し各30万円及び各金員に対する不法行為の後である平成14年2月9日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余の請求は失当として棄却すべきところ、これと同旨の原判決は相当であって、本件控訴はいずれも理由がない。
    よって、主文のとおり判決する。

   (平成16年7月14日口頭弁論終結)

       
 大阪高等裁判所第8民事部

             裁判長裁判官     竹  原  俊  一
                                                  
               裁判官     小  野  洋  一
                                                    
               裁判官     長  井  浩  一